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この記事では正規留学や交換留学などの研究留学の受け入れ先の探し方をお伝えします。
選ぶのは探してからだ。
研究室の選び方については、こちらの記事も合わせて読んでみてください。
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こんな方に読んでほしい
- 研究留学先を探している
- 海外大学院で研究留学を考えている
- 海外大学院への正規留学を考えている
僕はドイツで研究留学を行い、アメリカの大学院に正規留学しています。
留学経験者コミュニティを利用して多くの研究留学経験者と話した経験があります。
この記事では、これまでの研究室の探し方の知見をまとめてお伝えします。
この記事を読むと、
海外大学院へ研究留学する際の研究室探しのパターンが明確に分かります。
もくじ
【裏技あり】海外大学院留学の研究室を探す4つの方法
この記事では王道の方法も紹介していますが、裏技として求人として使われるLinkedinを使う方法を紹介します。
あまり知られていませんが、研究室の求人をみることができます。
この情報から教員や博士の学生が足りていない研究室であることが分かります。
つまり、他の研究室より受け入れてくれる可能性が高いです。
今回紹介する研究室を探す方法は主に4つです。
- 教授の繋がり
- 国際学会やサマースクール
- 論文から検索
それぞれメリットとデメリットを上げていきます。
方法1. 教授の繋がり
メリット
簡単でスムーズ
共同研究先なら帰国後も研究を続けられる可能性が高い
デメリット
選択肢が少ない場合がある
研究留学の研究留学経験者と話していて一番多いケースは、大学の教授や指導教員の繋がりを利用したものです。
個人的な肌感ですが、80%程度は教授の繋がりで研究留学しているのではないでしょうか。
実は、僕の研究留学パターンもこれに該当します。
教授同士がお互いのことを知っているため、やりとりがスムーズで比較的安心で簡単に進めることができます。
また、共同研究先である場合は、似た研究内分野であることや帰国してからも研究を続けやすいパターンが多いです。
しかしながら、一人の教授が多くの受け入れ先を持っているとも限らず、選択肢が少ない場合があります。
現に、研究留学したいが教授にコネクションがなくて困っているという相談を受けたこともあります。
体験:とにかく海外大学院で研究留学がしたくてドイツ行った
僕がドイツで研究留学したときは、もともと磁気光学を専門としていましたが、磁性半導体の研究室に行きました。
正直なところ、僕は「とにかく、海外で研究がしてみたい」「多少分野が違っても、気にしない」と決めて留学しました。
博士課程に進む前に、修士課程のうちに海外大学院で多面的な視点を身に着ける時間を割いてもいいと思ったからです。
磁性という共通点を持っていても少し違う分野の研究を海外で新しく始めるには苦労しました。
違う視点が身に着いたという面もありますが、なかなか結果が出ないと修士論文をまとめることが大変になるかもしれません。
体験:海外大学院で特定の研究がしたくてニューヨークに来た
逆に、今研究しているニューヨーク市立大学ではもともと興味があったメタマテリアルの研究をしています。
この場合、ニューヨークである必要はなく、選んだ教授の下でこの研究がやりたいという目的がありました。
長期的な海外大学院での研究留学になることはわかっていたので、「何の研究がしたいか」に優先順位を置きました。
教授の繋がりは、まずは検討したい手段ですが、あなたの研究留学にとって最適解かどうかはわかりません。
なぜ研究留学がしたいのかを突き詰める必要があります。
「海外で研究するだけ」で満足なのか。「どんな専門領域」を研究したいのか。
方法2. 国際学会やサマースクール
メリット
受入れ先候補の教授に直接会える
アドバイスや他の提案など思わぬ情報がゲットできるかも
海外大学院の学生からも情報収集できる
デメリット
研究室探しとしては効率が悪い
次に、受け入れ先の指導教員候補と直接会う方法としてお勧めしたいのが、国際学会やサマースクールに参加する方法です。
国内でも国際学会が開かれることはありますよね。
国際学会によっては学生に対して旅費が出たり、ネットワーキングの時間があったりします。
ネットワーキングや休憩時間を利用して海外大学院の学生から情報収集もできます。
僕は研究留学が始まって現地に行くまで研究室のボスとはメールのやりとりのみで、一度も話したことがありませんでした。
今考えると、もし自分と相性の合わない教授だったらリスキーだったと感じます。
思わぬ情報もゲットできたりするので、実際に会いながら研究室を探すのはお勧めです。
それに対して、国際学会やサマースクールで直接相談、話してみることで雰囲気がつかめると思います。
実際に会う前のポイントは、気になる教授について調べたり、研究室のホームページを見ておいたり、気になる論文を読んで質問事項をまとめておくこと。
前もって知識がないと、話が弾みませんし上手く話を持っていくことができません。
調べた内容を質問しに行くと、ほとんどの教授は優しく教えてくれます。
この方法は、研究に興味があればお勧めしたい方法ですが、大学院の研究室探しとしては難易度が高いと思います。
何度も国際学会に行くのは費用的にも期間的も難しく効率は悪いです。
気になる教授が受け入れを許可してくれるかどうかもわかりません。
研究室側からすれば、給料を払わずに熱心に研究してくれる学生が多い方がいいので、ある程度研究結果を持っていて、生活費を自腹でも海外大学院で研究留学という熱意を見せれば十分可能性はあると思います。
方法3. 論文から検索
メリット
理想の研究分野・テーマで研究留学ができる可能性がある
デメリット
コストはかからないが、メールが返ってくる確率は低く効率は悪い
Google Scholarなどの検索サービスを利用して、論文の著者や機関から海外大学院の受け入れ先を探す手段もあります。
論文では、研究プロジェクトに責任を持つ人はCorresponding Author になっている場合がほとんどです。
第一著者は学生や雇われたポスドクであることが多いので、調べてからメールしましょう。
この方法では、日本に居ながら遠隔でアプローチすることができ、理想の研究分野・テーマで研究留学ができる可能性があります。
しかし、メールを100件送っても数件した帰ってこなかったいう声をよく聞きます。
そもそも見られていない可能性も十分にあります。
見知らぬ海外の学生からのメールですから、返信が返ってこなくて当たり前なのかもしれませんが、根気よくメールする必要があります。
この点、国際学会などで直接会うことができれば、少なくとも Yes か No は知ることができます。
方法4. 【裏技】Linkedin
メリット
研究室側が不足しているポジションが知れる
メールより高確率でやり取りできる可能性あり
デメリット
自分が求める研究テーマが見つかるか不明
最後に、本記事の【裏技】として紹介するのはLinkedInを利用する方法です。
特にヨーロッパは、PhDのポジション(テーマ)に対して研究費が固定されていることが多いのでLinkedInはおすすめです。
実は、PhDのポジションやポスドクのポジションの募集も掲載していることが多々あります。
自分の興味のある分野のポジションが見つかれば、ラッキーです。
募集しているのは高い専門知識を有するポスドクや長期間研究室に滞在する予定のPhDの学生ですが、海外大学院では給料を支払います。
ここに修士の学生がタダで研究したいと言って来たらどうでしょう。
応募もないし、実験してくれるのであれば来てもいいよ!と言ってくれる可能性は十分あると思います。
PhDのポジションであっても、テーマさえマッチングすれば修士の学生でもできるような内容であることが多々あるからです。
そもそも先方が探している枠でLindlnを使えば、メールでは無視されてもLindlnであれば見てくれる確率は高いと思います。
なぜなら、始めから先方が特定のポジションで雇用したいと考えているからです。
そのままプロフィールに飛んでもらえて、経歴や実績も自然にみてもらえます。
この方法を実践して海外大学院の研究留学先を探した人は知りませんが、僕がこれから研究留学するなら試す方法なので裏技として紹介しました。
肌感でいうと十分可能性がある方法だと思います。
最後に
今回、海外大学院の研究留学したい人向けに研究室の探し方を紹介しました。
王道の方法のメリットとデメリットから、ほとんどの学生がやっていないが可能性がある方法まで解説しましたがいかがでしょうか。
Linkedinはアメリカの半分以上の研究者は利用しています。
日本での利用率は欧米と比べて、かなり低く特に大学院生の認知度や利用度は低い印象ですが是非使ってみてください。
また、研究留学の準備についてまとめていますので、よろしければこちらの記事も合わせてご覧ください。
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