海外大学院進学

理系の海外大学院

【海外大学院1セメスター目】英語が話せる成績優秀の理系学生だった僕は出来損ない留学生になった

こんにちは、理系しまびとです。

日本で修士号を取り終えて、PhD取得の為に海外大学院進学しました。

1セメスター目を終えた感想や感じたことを書いています。

海外大学院生活について書いてありますが、あくまでも一個人の体験談として読んで頂ければ幸いです。

 

この記事は

  • 僕を応援してくれている人
  • 次のステップに向かっている人
  • 海外大学院進学を考えている人

に向けて書きました。

 

この記事を読んで、少しでもやる気を感じられたり、頑張ろうと思っていただけたりしたら、とても嬉しいです。

 

英語が話せる成績優秀の理系学生だった僕

僕は高専から大学編入をしましたが、当時は英語力が足りずに受験できる大学も限られていました。

大学入学後はTOEIC370点と学内でも平均以下で、自分の明らかな弱点だと感じた僕は英語の勉強を本格的に開始しました。

1年半くらいで790点まで伸ばしました。

それから、海外インターンシップや研究留学を経験、国際交流事業の補佐も行い、いわゆる英語が話せる理系になれました。

大学・大学院では成績優秀賞、研究発表では優秀賞・最優秀賞も受賞しました。

修士の時は、成績上位者として博士後期課程特別推薦生としても選ばれていました。

 

ニューヨークでは一転、出来損ない留学生に

ニューヨークにきて「できない」に直面することが圧倒的に多くなりました

ニューヨークは3度目で、ドイツでの1年間の研究留学の経験もあり、海外での生活や研究には慣れているある程度つもりでした。

しかし、今までは決まった期間の留学で、最悪何もできなくても時間が解決してくれるという安心感がありました。

 

正規生としての立場、逃げられないプレッシャー、思った以上に通じない・理解出来ない英語.....

成績悪すぎたら奨学金取り消しになるかも....

こんなに英語分からなかったっけ....と思うような毎日。

研究室、授業、日常生活、これほど様々なアクセントのある英語を集中して聞く機会は今までありませんでした。

 

日本では英語が話せる学生だったのに、たまに何言ってるかわからない留学生になったのです。

 

2時間45分の予想以上に疲れる授業

研究をしていても2時間以上人の英語をぶっ通しで聞くことはまずありませんでした。

ましてや、テストに出る内容なので集中して聞き漏れのないようにしなければいけません。

集中力が続くわけもなく、リスニング力もそこまで高くない僕。

聞き取れなかったことや不安なことは友達に聞いたり、メールしたりしました。

本来、聞いていればわかる内容まで人に頼らないといけない状態になっていました。

 

授業の課題の量も多く、問題の意味を理解するところから始まります。

授業の内容だけでは解けない問題がほとんどで、とにかく役に立ちそうな関連の本を図書館で広げて勉強していました。

土日はほとんど課題で潰れてしまいました。

始めは4科目履修していたのですが、限界を感じて1科目ドロップアウトしました。

やっぱり海外大学院進学は自分には敷居が高すぎたかもと何度も思いました

 

全然点数が取れない試験

日本では試験は嫌いでしたが得意でした。

暗記はとにかく時間を費やして工夫すればどうにかなり、応用問題が解けなくてもオールAに近い成績が取れました。

僕が日本で受けてきた試験のイメージは、暗記で解ける基礎問題が8割、応用問題が2割という感じです。

授業で習ったことや課題もしっかりやっておけば、まず問題ないという感じでした。

 

しかし、こちらでの試験の印象は真逆に近いです。

教授のさじ加減で授業によりましたが、暗記だけしても解けない問題ばかり。

授業で基礎を習い、拡張した問題が解けるようにしておかなければテストで高得点は狙えません。

とはいっても、他の学生もみんな解けるわけでもなく、一番ひどいテストは100点満点中全体の平均が40点代のものもありました。

努力は必要。

でも、日本以上に地頭の良さが問われる試験だったと思います。

 

今までの僕の武器が通用しない環境に来たと思いました。

 

これまで以上に理論よりの研究

僕の研究室の先生と学生は僕以外全員物理学のバックグラウンドを持っています。

工学部で過ごしてきた僕とは少し違う考え方を持っています。

というより、正直、僕より圧倒的に頭がいい。

学部の時から共同研究をしているので、わかっているつもりでしたが、本腰を入れて新しいテーマで研究するは大変でした。

 

指導してくれてる先生はとても尊敬していますし、生活のことも気にかけてくれてとてもやさしいです。

頭がよく、この人の下で研究したいと思って来ました。

 

これまで褒めてられてばかりいた僕には刺さる言葉がたくさんありました。

「基礎的な理論がわかっていない。」

「この前渡した論文本当に読んだのか。読んだのに理解していないなら問題だ。」

「理解しないで前に進もうとするのはやめなさい。時間の無駄だ。その考え方は捨てるんだ。」

「君はきっとできると思っているよ。でも、このままじゃダメだ。」

まだまだ心に刺さった言葉は頭をよぎりますが、この辺にしておきます....

理解できていない僕が悪いのは百も承知。

これまでいい子に頑張ってさえいれば、きつい言葉をかけてくる人はいませんでした

だから、単に辛かった。

研究だけでなく、ついていくのに必死な慣れない授業もある。

 

研究が好きなのは変わらない。

でも、様々なストレスを同時にハンドルすることができませんでした。

「やらなければならないこと」をやるのが精一杯で、やる気がみるみるそぎ落とされていきます。

朝起きるもの辛くなり、少しずつ苦痛になっていきました。

こんなに無理に自分を動かさないといけないのは、久しぶり。

もしかしたら本当に無理かも

弱い自分に正面から向き合うことになり、劣等感や無力感に襲われました。

アメリカのPhDでドロップアウトする人は半分とも言われています。

現に、2年前に研究室にいたPhDの学生もいなくなっていました。

僕の今のレベル感と能力なら妥当かなと思うのです。

 

僕がこの記事で本当に伝えたいこと

僕はこのような経験を一生続けたいとは思いません。

でも、絶対にこのような経験が人生で必要だと知っているんです。

欲しかった環境が手に入ったと思っています。まさに挫折を望んでいました。

この限られた人生の中で、なりたい高みの自分にたどり着くにはやりたくないと思うことも成し遂げる必要がある。

 

ドイツでの生活は、友達にも囲まれてとても楽しかった。

楽しくてやりたいことだけやっている毎日は、とても楽しくて大切な時間でしたが、何か物足りなく感じてきました。

幸せ過ぎた生活は、刺激が足りず自分の爆発的な成長や達成感を感じることができませんでした

 

満足感に浸る環境は僕が本当の意味でいたい環境じゃない

今の環境で自分ができないと感じるということは、自分よりできる人を知っている証拠です。

つまり、今以上の自分が目指せるチャンスです。

 

「もしかしたらできないかも」に足を踏み出してこそ、挑戦であり、その先に成長があるのだと思います。

できない自分に正面から向かい立ち向かってこそ、本当の成長がある

悔しい気持ちや無力感などネガティブな感情も正面で受け止めて成長へのバネに変えること

辛い経験や悔しい気持ち、達成感や一回り大きくなった感覚も全部含めて僕の幸せになります。

 

自分の弱いや弱点に部分に正面から向き合うのは怖い。

僕は無意識に考えないようにすらしていると思います。

でも、向き合うまで強くなれません。

もっと成長するために、この環境で自分ができることをできるだけやります。

 

また、「才能の正体」という本を読んで考え方が少し変わりました。

才能は誰にでもあり、才能がないと感じる人は正しい方法で努力ができてないということです。

才能がないという理由を言い訳にしないで、踏み出したいと思っているその一歩に挑戦したいと思いました。

 

ここまで読んで頂いてありがとうございます。

僕の人生はこれからもっと面白くなるに違いない。そう思っています。

これからも見守って頂けると幸いです。

 

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